この記事は主婦やサラリーマンなど、家事や本業のかたわら、副業ブロガー・アフィリエイターとして活躍する人のための、覚えておきたい税金の話や確定申告について説明します。
初めてでも確定申告できるよう、わかりやすく説明していきます。
目次
確定申告をするとお金が戻ることも
所得税の確定申告をするのは「義務だから」という理由のほかに「税金の還付があるかもしれないから」です。
確定申告とは「今年これだけ儲かったので、そのうちこれだけ納税します」と国に出すレポートのこと。
実は確定申告の前に、A8.netなどの一部のASPは報酬の支払の時に、「源泉徴収」といって、税金の前取りとして一部を天引きして報酬をブロガー等に支払っています。
前取りされている税金は報酬につき約10%です。
所得税の一番低い税率は5%なので、確定申告をすることでこの前取りされていた税金が実は納めすぎということがわかり、還付されることもあります。
また、還付がなさそうな人で「申告書なんて出さなくてもいいでしょ」と思う人がいるかもしれませんが、けっこう簡単にバレます。
ASP各社を始めとした会社は支払った報酬額を税務署に報告しています。
つまり税務署はブロガー・アフィリエイターの収入を何となく把握しているんですね。
しっかり収益がでているのに申告しない人は、
「あなた儲かっているのに申告してないんじゃないですか!?」
と税務署から追及される可能性が高いです。
意図して申告していなかったり、収入を隠して申告をすると、ペナルティとして割増しで納税することになります。
そして特に悪質と判断された場合は4割増しの納税や、最悪逮捕ということもあります。
こういう面倒なことになる前に自分から申告しておいたほうがお得です。
(法令の根拠:国税通則法65~69条)
確定申告が必要な人
では所得税の確定申告が必要な人はどのような人でしょうか?
給与やブログ以外に収入が無い、という前提で2つのパターンに分けてご案内します。
主婦ブロガー・学生ブロガーなど、ブログ以外の収入が無い人
まず主婦・学生などで、パートやアルバイトをしておらず、ブログやアフィリエイトの収入のみの場合、所得が36万円を超えると確定申告が必要です。
所得とは簡単にいうと、「その年の収入から必要経費を差し引いた残りの利益」のことを指します。
(法令の根拠:所得税法86条)
アルバイトをしている人やサラリーマンブロガーなど、給与がメインの収入の人
次にアルバイト、サラリーマンなど給与がメインの収入の場合、ブログやアフィリエイトで得た所得が20万円を超えると確定申告が必要です。
ただし、給与以外の収入が20万円未満であっても、その場合は住民税の申告が必要になります。
消費税は2年前の売り上げが1,000万円超えたら考える
消費税は個人の場合、2年前の売上の合計が1,000万円を超えると納税義務(税金を納めなければいけない義務)が出てきます。
基本的に「今年からブログを始めました」という人は2年前の売上がそもそもありませんので、その年は消費税を納める必要はありません。
逆に、例えば2019年に売り上げを集計したら1,000万円を超えていた場合、2021年には消費税を納めなければいけないので準備が必要になります。
ただし、急に売り上げが伸びて、その年の前半だけで売上1,000万円到達した場合は、その翌年に消費税の納税義務が生じることがあります。
(法令の根拠:所得税法121条、地方税法294条、317条の2)
副業でのブログ・アフィリエイトの所得は「雑所得」として白色申告する
所得税の申告をする人を確認したところで、申告にはどのような手順が必要にあるのか、見ていきましょう。
まず所得税の申告をするにあたり、収入の「所得分類」を考える必要があります。
所得分類とは、収入の種類に応じて9種類に所得を分けた分類のことで、それぞれ税金のかけ方を変えています。
例えばアルバイトやサラリーマンの給料は「給与所得」にあたります。
そして副業でブログやアフィリエイトをやっている場合は、その所得は「雑所得」として申告するのが一般的です。
雑所得とは、他の9種類の所得のいずれにも当たらない所得をいい、公的年金等、非営業用貸金の利子、著述家や作家以外の人が受ける原稿料や印税、講演料や放送謝金などが該当します。(国税庁HP)
申告方法は青色・白色2種類ありますが、副業ブロガーの場合は白色申告しましょう。
(副業ブロガーの場合は青色申告のメリットがないです)
(法令の根拠:所得税法35条)
会計ソフトを使うと楽!
雑所得は収入から必要経費を差し引いて所得を計算します。
確定申告をするためには、まず年間を通じて収入と経費をコツコツ集計することが必要になります。
市販の会計ソフトなら経理がわからない人でも入力できるように作られていますので、まずは会計ソフトを取り入れて、事務負担を軽くしていきましょう。
確定申告の書類も自宅で作って税務署に郵送できるので、わざわざ税務署に足を運んで列に並ぶ手間も省けます。
大手3社のいずれかを使えばどんな初心者でも確定申告が行えます。
おすすめは弥生会計です。
基本料金が無料で白色申告が行えますし、操作や手順が不安でも年間4,000円で電話・メールサポートが受けられます。
白色申告での価格とサポートのバランスが他社よりも高いといえます。
会計ソフト名 | 特徴 |
---|---|
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なお、国税庁のHPで申告書の作成もできますが、収入・経費を集計してあることが前提で作成が進みますので、会計ソフトを使ってコツコツ集計してから確定申告するのがスムーズでストレスが少ないです。
- 他に収入が無い人は36万円超の所得で確定申告が必要
- 給与収入がある人は給与以外の20万円超の所得で確定申告が必要
- 副業ブログは雑所得として白色申告する
- 雑所得は収入-必要経費で計算する
所得を計算するには?
所得税を申告するには所得、つまり年間の利益を計算しなければいけません。
そして所得は収入から必要経費を差し引いて計算します。
では、この「収入」と「必要経費」はどのようなものを計上していけば良いのでしょうか?
ブロガー・アフィリエイターが計上する「収入」と「必要経費」の具体的な内容について確認しましょう。
ブロガーが計上すべき収入
ブロガーやアフィリエイターの収入はASPでの報酬、アマゾンアソシエイトでの報酬、楽天アフィリエイトでの報酬などです。
各社の売り上げレポートを見て、年間の確定した報酬額を記帳していきます。
気を付けてほしいのは預金に振り込まれた報酬だけでなく、アマゾンや楽天の報酬ポイントなども収入に計上します。
現金でなくても報酬でもらったポイントで買い物ができるなら、それは収入と考えます。
また、ASPなどで確定したけどまだ振り込まれていない報酬も収入に含めます。
逆に発生したけどまだ確定していない報酬は収入に含めません。
(法令の根拠:所得税法35、36条)
例えばアマゾンアソシエイトならアソシエイトのトップ→レポート→支払い履歴から確定した報酬の履歴が確認できます。
対象が2019年の確定申告なら、赤枠のように2019年中に確定した(発生ではなく)報酬をピックアップして記帳していきます。

- 収入はその年に確定した報酬を計上する
- 現金だけでなく、ポイントの報酬も収入に含める
ブロガーが計上すべき経費
次に経費について確認しましょう。
所得=売上-経費なので、経費を正しく計上することで、税金のかかる所得を小さくして節税にもつながります。
この必要経費、どんなものが計上してよくて、どんなものがダメなのかを見ていきましょう。
経費にできるもの
「経費」(必要経費)とは基本的に「収入を得るために直接必要な支出」や「ブログ・アフィリエイトに使った支出」と考えてください。
一般的にブログやアフィリエイトの経費になるものは次のものが挙げられます。
- 記事執筆用のパソコン代
- 勉強のための本代
- サーバー代、ワードプレスのテーマ代、ドメイン取得費
- セミナー代など
- ライターへの外注費
ただし10万円以上のパソコンやデスクなどは減価償却資産といって、原則何年かに分けて必要経費に計上することになります。
経費にできないもの
逆に、プライベートに関係した支出ものや、他に仕事のある家族への給与は必要経費となりません。
- プライベートでの飲食代
- 仕事と関係ない自宅の家賃
- プライベートで使った費用
- 他に仕事のある家族への給与
プライベートが混ざった費用には注意が必要
雑所得の場合、仕事とプライベートに両方使っているものについては、両者を明確に区分できれば仕事部分を経費に計上することができます。
例えば自宅で作業をしていて、作業スペースが自宅の床面積の10%を占めているなら、自宅家賃の10%を必要経費に計上します。
また、収入を得るために直接必要な支出は必要経費となります。
一方で、白色申告の場合、仕事とプライベートに分けることが難しいものは経費と認められないことがあります。
あれもプライベートと区別しづらいよね?
ここから先は私の個人的な法令の解釈ですが、商品を購入したり、自分で体験したりしてレビューをするブロガーは多いと思います。
その商品や体験というものはプライベート部分との区別が非常に難しいです。
(記事のためにエステを受けたけど、何%がプライベート部分なんて誰にもわかりません)
でもこういったレビューは我々ブロガーの大事な収入源であり、レビューのための商品購入や体験こそ、「収入を得るために直接要した費用」であるといえます。
したがって、売上との関連が明らかな商品や体験については、費用の全額を必要経費に計上することは法令どおりと考えて私は確定申告しています。
逆に記事にもしていないし、ウェブサイトの扱っているテーマとも異なるような商品・体験の費用は、「収入との関連がない」と税務署から指摘される可能性が高いでしょう。
また、10万円以上の資産については固定資産として取り扱う必要があります。
減価償却を通じて経費に計上していくのと、利用実態に応じた経費計上をしていきましょう。
(例えば200万円の車を購入してレビューをした後、自家用車として乗り回したのでは購入費用の全てを必要経費にすることは難しいでしょう)
- 仕事とプライベートが混ざった費用は仕事部分のみを分けて計上する
- 「収入を得るために直接必要だった費用」は必要経費
(法令の根拠:所得税法37条、45条、所得税法施行令96条、 所得税基本通達45-2 )
確定申告は2/16~3/15までに申告と納付
所得税の申告期間はその年の翌年2/16~3/15です。
例えば2019年分の確定申告は(3/15が日曜なので)2020年の2/17~3/16です。
この期間内に所得税の申告と納税を済ませます。
まず年間の売上と経費を計上して、所得を計算します(普段からコツコツ入力しておきましょう)。
そのうえで申告書は会計ソフトのガイドに従えば作られていきますので、添付書類などを付けて税務署に持ち込むか、郵送して申告します(電子申告というデジタルでの申告方法もあります)。
この際、税務署へ提出用の1部と自分の控え用に1部用意しておきましょう。
もし郵送する場合は返信用の切手付き封筒も同封します。
なお、控えは自分の控えというだけでなく、将来銀行などから住宅ローンなどの借り入れをするときに、銀行などに見せるのに必要になります。
ブログ等で所得が出ている人は、源泉徴収票より申告書の方が所得が大きく、収入の種類も豊富なので、「返済能力が高い」と金融機関から判断されやすいと考えられます。
納税は納付書を銀行などに持ち込んで行います。
かんじんの納付書は最寄りの税務署のほか、金融機関で手に入れることができます。
不安な方は税務署に申告書を持ち込んで、その場で納付書を係の人に見てもらいながら作ることもできます。
不安な人は税理士に依頼しよう
ここまで副業ブロガー・アフィリエイターの納める税金や確定申告についてお話してきました。
まったくの初心者であっても会計ソフトを利用して、情報を集めれば自分で確定申告をすることは可能です。
自分で確定申告をしてみることで、お金の管理や損益の感覚も磨かれるので事業主や経営者として良い経験になるはずです。
一方で
「仕事が忙しく、本業に集中したい」
「とにかく不安なので相談できる人がほしい」
と考えている人は税理士に依頼するのもアリです。
税理士と顧問契約を結ぶことで、お金のことを気兼ねなく聞くことができますし、ブログやアフィリエイトサイトに時間と労力を割くことができます。
料金も
・自分で記帳をして確定申告だけスポットで頼むなら5万円
・顧問契約をするなら毎月1万円、確定申告で5万円
程度から依頼することができます。
まとめ
今回の記事は以上となります。
なかなか大変そうに感じる確定申告かもしれませんが、経費の入力などはコツコツ行っていけばなんとかなります。
一度経験してしまえば、翌年以降は大体ルーティンでこなせますので大丈夫です!
会計ソフトなどの道具もうまく活用して、大事なお金をしっかり管理していきましょう!

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